先日、10日間のチェコ取材ツアーに参加してきました、むねさだ(@mu_ne3)です。
チェコには多くの美術館や博物館があります。
今回は、プラハからも近い「フルディム(Chrudim)」という都市を中心に博物館や美術館についてご紹介したいと思います。
プラハから1時間ちょっとの博物館の街「フルディム(Chrudim)」
ということで今回ご紹介するのは、プラハから約110kmの場所にある、博物館の街「フルディム(Chrudim)」。
電車を乗り継いでも1時間ちょっとで来れるので、プラハから日帰りも可能な、コンパクトにまとまっている街になります。
まず向かったのは、チェコの中で一番古いマリオネットの博物館「Museum of puppets」。
ここは、1573年に建てられた美しいルネサンス様式の建物を改築し1972年から博物館として利用されています。
そのため、通路が狭かったり、部屋が小さくわかれていたりしますが、それはそれで探検をしているようでワクワクしながら回れると思います。
そんな博物館の内部にはチェコだけでなく世界中のマリオネットやパペットが展示されています。
チェコの伝統的なマリオネットは18世紀の後半、東チェコ地方(このフルディムがある辺り)から始まったそうです。
当時のマリオネットの劇場は固定ではなく移動式。
馬車で街から街へと移動しながらチェコで大流行していったそうです。
テレビもなかった時代ということもあり、娯楽としてチェコに大ブームを起こしたマリオネット。
子供向けだけではなくて、大人も夢中になり、特に悪魔や骸骨といった怖い系のキャラクターが人気があったんですって。
19世紀にはプロだけではなくアマチュア劇団も多く発生したそうですが、これは他の国ではなかなか見られない傾向で(他はプロだけのことが多い)、それだけチェコではマリオネットが多くの人に愛されていたという事なんですよね。
また、自宅用にマリオネットキットのようなものを購入して、マリオネットを家族で行う、と言う楽しみ方もあったようです。
1918年にチェコスロバキアの国が出来てからは、マリオネットに関して国が支援し学校で教えるなど文化として大切にされて来たんです。
こちらは、モダンなチェコのマリオネットとして一番有名なキャラクター。
名前は、お父さんがシュペイブル、子供がフルヴィーネク。
世界中から大人気で、様々な国へと遠征をしており、日本にも講演で来たことがあるそうですよ。
こちらは、アジアのマリオネット。
チェコのマリオネットとは違い、影絵のようにして影を動かす人形が多く展示してありました。
さて、この美術館は最上階のテラスから美しい街並みを見ることができます。
可愛らしい建物が連なっており、なんとも素敵。
マリオネットの歴史を知りつつ、街を上から眺めることができる素敵な博物館でした。
フルディム バロック彫刻博物館
次に訪れたのは、17世紀に建てられた教会を改修して作られた「バロック彫刻博物館」。
共産主義時代は、倉庫として使われていたのですが、その価値を認められ2006年にEUからの支援により博物館として修復。
現在は絵画や彫刻などが展示されており、結婚式やイベントに使われています。
修復された部分と、修復前の状態とが比べられるような場所も残されており、この辺りを見るのも面白いです。
これだけの建物が、倉庫として使われており彫刻などが雑に並んでいたとか信じられません…。
厳かな雰囲気もありつつ建物としてもパワーを感じる博物館でした。
ちなみに、マリオネット博物館の入館料は大人80コロナ(約400円)。
バロック彫刻博物館は大人60コロナ(約300円)と激安です。
せっかくマリオネットミュージアムに寄るならばこちらにも足を伸ばしてみるのが良いと思います。
おしゃれなレストラン「U Paluků」
ここでランチタイムということで立ち寄ったのが、「U Paluků」というおしゃれなレストラン。
メニューの名前は失念してしまいましたが、数人でこれらの料理を注文しました。
もちろん、ビールを飲みながら。
少しずつシェアして食べましたが、どれ美味しかったなぁ…!
フルディムでランチを食べたい場合は是非このお店を訪ねてみてください。
ミュシャのポスターやデッサンも!「Chrudim Regional Museum」
フルディムで最後に立ち寄ったのは、日本でも人気のあるアルフォンソ・ミュシャの作品が飾ってある、「Chrudim Regional Museum」。
実はここフルディムは、日本でも人気の高い画家「ミュシャ」の奥さんの生まれた地。
そのため、ミュシャの作品が常設してある美術館があるんです。
日本で見ようと思うと、大行列していたあのミュシャの作品をゆっくりと堪能することができます。
もちろん、ミュシャが有名になるきっかけとなった代表作「ジスモンダ」 のポスターも展示されています。
なんですかここ…贅沢すぎるでしょう!?
更には…。珍しいミュシャのデッサンまで展示してあるんです。
鉛筆画まで…!これは貴重っ!
繊細なタッチは鉛筆でも健在で、もう筆跡の1つ1つを食い入るように見てしまいました。
お土産売り場もあるので、ここでポストカードなどを大量に購入しました。
一枚数十円と、めっちゃ安いんですよ…!びっくり。
トシェボヴィツェ・ベツレヘム博物館
フルディムから40kmくらいの更に小さな街トシェベホヴィツェ・ポト・オレベム(Třebechovice pod Orebem)にあるのが、ベツレヘム博物館。
ベツレヘムとは、キリストが誕生した時の様子を描いたジオラマの事で、クリスマスの時期に合わせて作るのが一般的。
個々の館内には、500セットものベツレヘムが展示されています。
例えばこれは1940年代に作られたもの。
これ、特に有名ではない、とある家庭のおばあちゃんの作品だそうです。
いやいや…。クオリティ高すぎでしょう…。
元々は、プロの作家が教会のために作ったのが最初なんですが、そうなると、子供が教会に来てベツレヘムの人形で遊ぶようになってしまった。
そのため、法律で教会にベツレムを置くことを禁止してしまったため、チェコでは各自の自宅でベツレヘムを作り、各自で飾るようになったという時代背景があるんです。
圧巻だったのは、2000もの木製のパーツでくみ上げられた世界最大の可動式のベツレヘム。
これ、横7m、幅3m、高さ2mもあるんです…!
1つ1つの人形も精巧に作られており、これらがかわいく動くんですよ…。
こんなものが100年以上前に作られて、いまだ実際に稼働するってすごいですよね…。
あまりに巨大だったため、土台に車輪を付けて馬車で引いて、いろんな場所で多くの人に見せて回ったそうです。
いや…凄いですよね…。
わんぱくブロガー的まとめ
ということで、今回はフルディムを中心に、博物館や美術館を巡った内容を中心にご紹介しました。
世界最古のマリオネット博物館やミュシャの作品が観れ、少し足を延ばすと世界最大のベツレヘムなどが展示してある博物館も見に行けます。
プラハからも日帰りでこのルートを回れるため、チェコでのフリータイムが1日ある、という人はこのルートをたどってみるのも面白いと思いますよ。
今回のチェコツアーについて
今回のチェコ共和国に関する取材ツアーは、「チェコ政府観光局」からお声がけ頂き参加しています。
旅費・宿泊費・食費・アクティビティ費をチェコ政府観光局に負担いただいてますが、記事の内容はブロガーの主観に任されております。
当ブログのチェコに関する記事はこちらにまとめる予定です。