SNSでタイムラインに表示された動画をついつい見てしまう、むねさだ(@mu_ne3)です。
そんな動画を使って情報発信をしてる動画メディア「bouncy」主催のトークイベントがあるという事で、参加してきました。
登壇者はいずれも大手メディアで編集長やライターを経験しつつ、現在は動画に力を入れている3名ということもあり会場は満員御礼!
動画配信に興味があるメディア・ブロガー・広報・PR会社など様々な人が話を聞きに来ている中、とても為になる貴重な話を聞くことが出来ましたのでご紹介したいと思います!
動画メディア「bouncy」によるトークイベント
という事で行ってきましたのは、動画メディア「bouncy」によるトークイベント。
テーマは、「bouncyが考える動画メディアとは。動画ライターの未来。」
ゲストはスマニューの鷹木創さん
ゲストはスマートニュース、鷹木 創さん。
鷹木さんは、インプレスやアイティメディアで記者として活躍、その後Engadget日本版の編集長をされており、2017年からスマートニュースに入社し、主に動画分野を担当しているそうです。
まずは自己紹介を兼ねて、スマートニュースについて紹介。
スマートニュースは、日本最大のニュースアプリ。
なんとアクティブユーザーは月間1100万人、提携媒体は2700以上。
そして、1人あたり1日平均18分利用しているという、利用時間も長いアプリなんです。
18分も見てもらえるニュースアプリならば動画も受け入れられるのではないか、ということで今、動画コンテンツに力を入れているんだそうです。
bouncyとは?
ここで改めて、主催のbouncyについても説明が行われます。
説明は、bouncy編集長の清田いちるさん。
いちるさんは、ギズモード・ジャパンの初代編集長。他にも多くのWebメディアやサービスの立ち上げに関わってきている方。
そしてもう1名は、bouncyのチーフエディターを務める、津田啓夢さん。
津田さんはEngadget Japaneseのシニアエディターを経て、現在はbouncyに参加している方。津田さんもマルチに、執筆・写真や動画の撮影・編集・企画など活躍されている方でもあります。
bouncyとは一言で言うと、動画メディア。
ちなみに、bouncyという名前の由来は、「情報が柔らかく跳ねていきながら広がっていく」という部分から来ているそうです。
bouncyは、「未来を感じる動画メディア」をテーマとして情報を発信しているメディア。
それを見た人が驚きとともに、「自分のことになったら生活はどう変わる?」「これがあるって良いな」という未来を見せるための情報を毎日発信しているんです。
例えばどういう動画?
例えば、この夏に爆発的に見られた動画が、こちらの「ピカチュウ大量発生チュウ」。
↑クリックで動画が再生されます
いやいや、これカワイイのは分かるけど、どこが「未来を感じる動画」なの?と思う人も居るかもしれませんが、実はこの動画、ポケモンの未来に大きく影響する内容なんです。
ポケモンが発売されて30年。今年、初めて「イーブイ」という「ピカチュウに続くマスコット」が出てきたんです。
いや、このイーブイ、実は最初からいたのに、今年人気が爆発したポケモンなんです。
こちらは、子供でも使える薪割りのアイテムの動画。
↑クリックで動画が再生されます
先ほどのピカチュウなどは実際に自分たちで撮影に行った動画ですが、これは海外の動画を見つけて、連絡を取り許諾を取って編集・掲載しているんだそうです。
また、速報的なニュース動画も出しているけれど、これもクオリティが高い動画を出しているんです。
↑クリックで動画が再生されます
こうすることで、bouncyは、楽しいだけじゃなく新しいことも知れる、という状態を作り上げているんですって。
更には、ライブ配信なども行い、視聴者からのコメントにダイレクトにレスポンスを返す、リアルタイム性を持った動画も公開。
また、動画ライターという人を集めており、テキストを書くように、動画で発信するライターさんによるコンテンツも公開しています。
↑クリックで動画が再生されます
ライターごとの特徴が出やすいのがこのコンテンツ。
映像作りって、文法のようなものがあって、伝わりやすい見せ方の順番の型というのがあるんですって。
なので、動画ライターさんには、そのノウハウや動画編集のスキルをプロから教えているので、クオリティの高い動画がバウンシーには集まってきているんですって。
動画メディアの現状は?
次に、「動画メディアの現状は?」という話に移っていきます。
海外の動画メディアはすごく増えて来ており、日本はまだ少ない状態。もう、圧倒的に数が違う!と鷹木さんは言います。
いちるさんは、先日開催されたiPhoneの発表イベントに参加。
その際に感じたのが、アメリカと中国の取材陣は、ほぼ動画メディアだということ。
テキストで書けないニュアンスや魅力を伝えるのに向いているし、最近の商品やサービスはどんどんそっちに向かってきているように感じるそうです。
クオリティの高い動画メディアの例として紹介されたのは海外のYouTuberマーケス・ブラウンリー氏の動画。
ノリと勢いではなく、淡々と話をしつつ、クオリティの高い動画と内容で人気の高いYouTuberです。
スマホで見る用に編集されてるものが多い
現在の主流は、大きいテキストと組み合わせた動画が多く、これはスマホで見た時、音がミュートても理解できるように工夫されているんだそうです。
また、テレビとスマホだと画面サイズが全く違うので、テレビ用の素材を使うと淡白に見えることも多いそうです。
例えばスマホだと顔のアップが多いけど、テレビでこれをやると圧迫感がありすぎる、と。
なるほど。見るデバイスを想定して撮影・編集してるんですねぇ。
動画は作るのが大変、と感じるからこそまだブルーオーシャン!?
「発見を提示するのがメディアの役割」。そういう意味で、まだまだ日本ではまともに取り組めている動画メディアは少ないそうです。
「動画メディアは作るのに時間がかかるというデメリット」はあるが、その中でも、今テキストを書くようにサッと動画を編集できる人も出始めてきているのも事実。
そういう意味で、テキストの方がサッと出せるため、既存のメディアが動画に手を出しづらい状態。
ブロガーから個人メディアが生まれたようにYouTuberから個人動画メディア?
ちなみに、時代の流れ的に言うと、テキストベースでブロガーというのが流行って、その後個人メディア的な人たちが増えてきた。
そういう意味で、YouTuberが流行っている今の後には、個人動画メディアがワーッと出てくる可能性はある。
また、「動画メディアに限らず、メディアは続けてコンテンツを出し続けるのが大切」といちるさんは言われていました。
バウンシーの試行錯誤
ここ、面白い話題だったのが、動画メディアとしてのbouncyの試行錯誤について。
動画の画面比率をどうするか?
例えば、アスペクト(画面比率)問題。
bouncyは現在正方形の動画を主に公開しています。
スマホに注力するなら縦長が最適だし、広い用途に使いたいなら横長の動画が汎用性があるわけです。
bouncyの正方形というのは、どっちつかずの中途半端ながら、あえて言うならば正方形はSNSに特化しているサイズ、なんだそうです。
この辺り常に試行錯誤らしく、7月や8月には、一時期縦長の動画を多く出したりしたそうですが、特に大きな反応が無かったため、また正方形に戻しているそうです。
この辺り悩ましいですよね。
どこに動画を公開するか、集中か分散か?
それと同じくらい悩むのが、動画の公開場所などの問題。
FacebookやTwitterやYouTubeそれぞれに最適化して動画をアップするのが分散型。bouncyは現在この手法を取っています。
スマートニュースも情報を発信している人にとっては、分散先ですしね。
ただ、自分の使い慣れたプラットフォームで情報を消費するのが今の流れ。
そういう意味で、今bouncyは分散して配信しているけど、最適な画面サイズや時間など、お作法が少しずつ違うので手間はかかるんですって。
動画の長さ(時間)をどうするか?
動画の長さも悩ましい問題だそうです。
例えば、インスタは1分までの動画しかアップできないし、YouTubeは長めが望ましいと言われているし…。
ここ、考え始めると崩壊しちゃう…と。
スマートニュースも、ニュースを求めてくる人が多いので、ジャンルによっても最適な長さは違うんだそうです。
いちるさんの、「動画は見る人の時間を奪っているという意識を持って、動画を作っている」というのは、視聴者としてはありがたい心がけだな、と感じました。
長ければ良いわけではなく、知りたいというニーズが満たせた瞬間に離脱してもらって構わないし、それで良い、と。
これからの動画メディア
お次は、これからの動画メディアはどうなっていく?という話しに。
海外の配信者の中には、「プラットフォーム依存しない!」という動画メディアも増えてきているそうです。
そんな、いちるさんが注目している動画メディアがこちら。
中国の「一条」という言う、匠の技的なものを配信しているメディア。
雑誌でいうとpenとか、それ系のお洒落方向を目指している動画メディア。
このように、テキストに依存しない動画メディアが広がると、(言葉の壁によって)日本に閉じていた情報やものが世界に広がる可能性がある、と締められていました。
ガンガン意見が飛び交う質疑応答タイム
ここからは質疑応答。
A.応用が効きづらい、正方形は分散型に向いている。
A.ネットで情報を摂取しやすい、受け入れられやすい順番というのがある。絵的にインパクトのある動画を最初に持ってくる、とか。
バウンシーは未来を感じる、というテーマを外さなければなんでも良いとは思っているが、より伝わりやすいようにアドバイスしている。
A.動画にテキストを乗せすぎるとウザく感じるので、仕様とか詳しい情報は文章としてあった方が良い、と判断している。後はもちろんSEO的な面も。
バウンシーに一番寄せられるコメントが「欲しい、どこで買えるの?」だそうです。
これを動画に載せてしまうと長くなるし、クラウドファンディングだと60日後に状況が変わってしまうので。
最後まで見られる必要はなくて、満足してくれているなら最後まで見てなくても良いと考えている。
それよりはシェアやいいね、早い時間での離脱率などを気にしている。
A.画面に大きい顔が映っていると、人は注目しちゃうという性質があるので、意識はしている。
動く絵でアニメーションで説明するようにしている。インフォグラフィックスを動かすイメージ。
A.何が撮れるかわからない時はとりあえず動画。後で構成を考える。どういう絵が撮れるかほぼ分かっている時は先に流れを考えてから撮影に行くこともある。
わんぱくブロガー的まとめ
最後は、軽食を食べながらの情報交換会的な懇親会。
動画メディアに興味がある人、動画の可能性を感じている人が集まっているので、そこかしこで自己紹介や、議論・意見交換が活発に行われていました。
動画メディア、これからはより当たり前になっていくと思いますし、可能性や未来を感じますよね。
ブロガーとして、毎日6年半も毎日記事を書いている私ですが、動画コンテンツは壁を感じてしまい、なかなか手が出せていなかったんですが、何かやってみよう!とアツい気持ちになったイベントでした!