大人になるに従って、頭が固くなったと感じる人は多いんじゃ無いでしょうか。
私もデザイナーという仕事柄、他の人よりは柔らかいつもりではいますが、それでも凝り固まってるな…と思う事は多々あります。むねさだ(@mu_ne3)です。
さて、そんな私が今回ご紹介するのは、2015年3月25日発売予定の書籍。
発売前に是非に、とのことで献本頂きましたので読んでみたのですが、この本思った以上に良かったです。
これ最初に言っておくと、少なくても私には「ビジネスマン」としても、「ブロガー」としても、「親」としても役に立つ情報の詰まった本でしたのでご紹介したいと思います。
書籍「ラクガキノート術」
ということで、今回ご紹介するのはこちらの書籍。
ラクガキノート術
年間、数回のイベントを主催し、ラクガキの楽しさを参加者に教えているラクガキ講師、タムラカイ氏の初の「ラクガキ」に関する書籍です。
普段は「タムカイズム」というブログを、タムカイ(@tamkai)という名前で運営されています。
タムカイズム | 人生の楽しみ方をデザインするブログ
本の構成はこんな感じ。
全6章で構成されているのですが、読んでみて思ったのが、内容のギッシリ詰まっている感。
「ここは関係ないから読み飛ばしたいな…」と思うページが少ないのと、色々な切り口で語りかけてくるので、読んでいて飽きが来ず、読みやすいんです。
ラクガキだけじゃなく仕事に活きる内容も!
最初、この本はラクガキノートを描くだけのノウハウ本なのかな?と思っていました。
が、第一章を読むだけでそれだけじゃ無い事がすぐに分かります。
ラクガキという切り口で、色々と考え方を変えてみると世の中面白く見えてくるよ。子どもの時ってそうだったでしょ?という感じで、ラクガキ力を鍛える事で、仕事にも役立つ考え方が身に付けることができます。
発想力とか、想像力が必要な、商品企画開発とかしてる人は読んだ方が良い本だと感じました。
ラクガキをきっかけにして、柔らかい頭で世の中を見てみよう。という、「頭が柔らかくなれる本」でもありますから。
内容がギッシリ詰まった読み甲斐のある本!
そう。この本は、「ラクガキの描き方」だけじゃなく、色々な人に様々な角度から突き刺さる内容がギュッと詰まった、読み甲斐のある本になっています。
前半は、ラクガキの魅力について書かれています。
これが、「あぁ、この気持ち、俺の中にあった!」って思うこととか、「あー、この時にラクガキかけたら違ってきたのかな」なんてことを思いながら読み進められて、だんだんとウズウズしてくるんです。
そんな、ラクガキの楽しさを思い出させてくれて、ラクガキを描いてみたくなる1章。
あ、これならできると思わせてくれる2章。
ラクガキは基礎的な要素の塊で、少しの要素を覚えて、後はその組み合わせだよ、といわれると何だか自分にも出来そうに思えてきます。
そして、テクニック的な3章・4章。
3章は人物、4章はノートの描き方!
3章は以前ハッピーラクガキライフのイベントで教わった内容が更に充実した感じ。
ラクガキのちょっとしたノウハウで、これなら書けそうと感じさせてくれる内容になっていますし、即紙とペンで実践したくなります。
そして、4章が個人的に知りたかった、ノート術としてのテクニック集。
装飾的な所から、ノートの使い方など。
5章はラクガキを活用している人の事例紹介。
彼の開催する、ハッピーラクガキライフ講座に参加した受講者が、実際にラクガキをどう生活の中で活用しているかを紹介している章です。
6章はカラーページになって、色の使い方まで!これは参考になる。
と、内容ギッシリ。
第6章「色を楽しむ」の重要さ
この本を読んで感じたのが、正直この本の満足度には、第6章の存在が効いてるんだろうなー、ということ。
これがあるからこの本の満足度がめっちゃ高くなっているんです。
3章と4章くらいのボリューム感で終わる本は世の中に多くあると思います。
3章で人物の描き方、4章で装飾やらのテクニックで、結構教わった気になって、腹8分、いや7分かな…って感じで5章の活用事例に突入。
このまま終わるのかなーって感じで読み進めて行くと、急にページがカラーになって、一気に「ノートが華やかで分かりやすくなる」テクニックを教わって、こんなの出来たら良いなーってノート像がグッと身近になるというか、花開く的な。
ペンの使い方、色の使い方なんかも役に立つ内容が書かれています。
たとえばこちら。前に彼のブログで紹介されていたこの記事でチラッと紹介されていますが。
たった2色で見やすいノートは作れる!黒3赤1ノート術(道具編) | 切り抜きジャック
この記事から更に色々と試行錯誤したのか、本の中では「黒2+赤1」という手法に変わっていて、より具体的な描き方が紹介されていました。
この辺も、記事として読んだ事はあったのですが、そこと改めてノート術とが組み合わせて、「あーなるほど!」と理解しやすくなっています。
3章/4章/6章は、後から何度も見返しては実践に活かす、辞書的な使い方も出来そうです。
この本を読んだら「タムカイ」のラクガキがかけるようになる訳ではない
そうそう。勘違いして欲しくないのは、
この本を読み終わった瞬間、タムカイ流のあの独特のイラストが描けるようになる魔法の本ではないんです。
それは、ブロガーさんの本を読んだからと言って、その人と同じようなブログが書ける訳ではないのと同じように。
そう。私がこの本を読んで感じたのは、ラクガキ力=ブログ脳 ということ。
まずはラクガキ力を少しずつ身につけて行くことで、少しずつあのようなイラストが描けるようになるんだな、と。
それは日常生活の中で、どんどんとネタを見つけれるブロガーがいわゆるブログ脳を身につけるのと同じような感じです。
ラクガキ力=絵が上手ではなく、観察する力、想像する力、表現する力。
この本を読んで、観察と想像が重要なことが分かりますし、ココは誰しもちょっとした意識の違いで身につける事が出来る力なんです。
そして、同時に感じたのは、ラクガキ=スポーツ という見方も出来るという事。
毎日少しずつ、日常生活に取り入れて楽しみながらトレーニングする事が、スポーツ上達の1歩であるように、ラクガキも、少しずつ線や円を描いたり、自分しか見ないノートの隙間にちょっとしたラクガキを描いてみる。そんな所から始めて、少しずつ慣れて行く事が必要なんだろうな、と。
まずは、スタートし始めなければ何も出来ないまま、というのも同じです。
そのスタートの手助けとなってくれるのが、この本。
ラクガキを始める時のきっかけになり、迷ったり悩んだりした時にも見返せる本になっていると思います。
「あぁ、私もラクガキ描いてみたい。」そう思っていた人ならば手に取って損は無い本だと思います。
手書きのラクガキこそできる記憶を呼び覚ます力
最後に、こちらの内容を読んでいてふと思い出した事があります。
内容としては、「手書きのラクガキだからこそ、線や筆跡、濃淡、色使いにその時の感情や状況が無意識に込められている」というもの。
手書きだからこそ思い出せること。
そう思って、我が家の育児日記を取り出して来てみました。
娘が生まれた日から1歳になるまで、ほぼ毎日の出来事が書かれた日記帳です。
この日記のほとんどは育児で追われて睡眠時間さえ十分に確保出来ていなかった妻が1人で書いています。
私は、深夜仕事が終わって帰宅して、この日記を読んでは日中に何があったのか。自分の子どもがどのように成長して行っているかを確認していました。
で、その日記に書かれた1コマ。
ちょっとしたラクガキの挿絵で、「子どもの髪質が変わってきた」という内容なんですが、これはこのラクガキを見るだけで、当時の子どもの様子、そして描いた妻の様子まで思い出されますし、描いた本人は尚更です。
わんぱくブロガー的まとめ
ビジネスマンとして、デザイナーとして、ブロガーとして、父親として。
全ての面の私に対して刺さる内容がある、内容の濃い本でした。
普段本をあまり読まない私でも1〜2時間で読めた本です。
更には、一度読めば満足するような本ではなく、参考書というか、後から見返したくなる内容もギッシリと詰まっています。
あ、あと後半は見開きにはほとんど解説用の挿絵(当然全てタムカイさんのラクガキ)が入っていたりして、これもまた読みやすいし理解しやすいポイント。
サラッと読んでまずはラクガキ描いてみて、「あれ?ここどうすれば良いんだろう?」と思った時はまたこの本読んで。
そんな感じで、何度も何度も見ちゃう本。
で、分からなければTwitterとかで著者に連絡しちゃえばいいんです。
直接。タムカイ(@tamkai)さんに。
喜んで詳しく教えてくれるだろうし、もっと知りたい内容があれば、講座が開かれたり、彼のブログで解説がしてもらえるかもしれません。
さてさて、そんなラクガキノート術。
是非手にとって、頭を柔らかくしながら、日常を違う角度で眺めたり、ちょっとした時にラクガキを描けるようになる、きっかけを手にしてみて下さい。
付属資料的な、電子書籍も出てますよ!
ラクガキノート集: ラクガキノート術と合わせて読みたい セミナーやイベントで描きためてきた ラクガキノート集