写真を撮るのが大好きな、むねさだ(@mu_ne3)です。
みなさん、
写真を撮るときどういうことを意識していますか?
写真って、撮る時にちょっと意識するだけでぐっと良くなるんですよね。
そんなお話をAMNのレビューズ主催の勉強会で聞けるということで、参加してきました。
講師は、有名なこの方!
フォトグラファー「三井公一」さん
講師は、iPhoneの写真集で有名な、フォトグラファーの三井さん。
iPhonegrapher―写真を撮り、歩き続けるための80の言葉
三井さんは、iPhoneの写真集が有名になりすぎて、「三井さんって普通のカメラも使うんですか~?」なんて質問をされるそうなんですが、フィルム時代から30年以上のキャリアを持つカメラマンさん。
もちろん最近はデジタル一眼でも写真を撮りますし。
いろいろなWebメディアでお仕事をされています。
そんな三井さんがスマホだろうがデジカメだろうが、写真を撮る際に一番大事にしていることは…。
「仕上がりをイメージすること」
手ブレや不要なものが写り込まないのは大前提として、「仕上がりをイメージすること」が大事なんです。
雑誌で言うと、左ページに載せる・右に載せるで撮るべき写真の構図は変わってくるんですよね。
ブロガーであれば、自分が撮った写真がブログに載った姿を意識していますか?ってことなんです。
例えばこの写真。
これ、雑誌に載せるとしたらどちらのページに載せるのに適してると思いますか?
モンスター(サリー)が右を向いているので、雑誌でいうならば左のページに載せた方が(視線が雑誌中央に向かうことで)おさまりが良いんです。
実際に、プロのカメラマンはインタビュー取材などで撮影する際、「どちらのページに使われるか」を意識して人物を撮影するんだそうです。
人物だけではなく、商品写真も基本的には考え方は同じです。
ブロガーでいうと、
自分のブログのサイドバーはどっち?などを意識して撮影すると、ブログ内で収まりの良い写真になるんです。
これは今まで考えたこともありませんでしたね…。
ま、間違いないのは、両方撮っておくことらしいんですけどね。
一手間をかけるのが大事
また、写真は何も考えずに撮影するのではなく、ひと手間かける・その瞬間を待つ、ことが大事なんだそうです。
例えばこの富士山だと、理想となる雲の形を待つ。
メリーゴーラウンドだと馬の位置がイメージ通りの場所に来るまで待つ。
これを意識するだけで、グッと写真が良くなるんです。
ここまではカメラ全般のお話し。
ここからはiPhone(スマホ)の写真
そして、ここからはiPhone(スマホ)で撮影する写真について。
スマホで撮影される写真で一番多いのは、世界的に見ると人物。
日本は食べ物が多いんですけどね。
そしてその、人を撮るには「コミュニケーション」と「位置や向き」が大事なんです。
人が撮れたら静物は簡単に撮れちゃいます。
モノは自由に動かせるし、表情が変わらないからです。
ということで今回は人物写真を中心にお話しが進みます。
テクニックじゃなく、「コツ」・「一手間の知識」
よく、「iPhoneで写真をうまく撮るためのテクニックを教えてください」と言われますが、テクニックではなく、気を付けるべく「コツ」と「知識」が大事なんだそうです。
中でも重要なのは、「基本の3点」。
1.手ブレしないこと
スマホで一番大事なのは、「手ブレしない」ということ。
例えば、iPhoneはF2.2固定。
絞りはないので、ISOとシャッタースピードを調整して良い感じの写真が撮れるようにしてくれているんですよね。
つまり、スマホは暗い場所だとシャッタースピードを落として撮影することになるため、よく見ると手ブレしてる…なんてことが多いんです。
なので、スマホで撮影する場合、こういう風に片手で写真を撮るのは基本NG。
しっかりと両手でホールドしたり、テーブルに肘をついたり壁に押し付けたりして、iPhoneを固定することが大事なんです。
2.しっかりとピントを合わせる
次に大事なのは、「被写体にしっかりとピントを合わせる」です。
このように指で被写体をタッチしてみましょう。
そうすることで、被写体にピントがあってくれるんです。
人物を撮影しようと思ったら後ろの背景にピントが合ってしまった、なんてことがこれで防げます。
3.適正な露出
次に大切なのは、「適切な露出補正」。
タッチした後に上下スライドさせると露出が調整できるのはご存知でしょうか?
また、画面を長押しすると、AE/AFロックができるんです。
こうするとことで、被写体に対してピントと露出を調節した後で構図を変更することができます。
ノートリミング/ノーデジタルズームで撮影しよう
写真というのは、ノートリミング、ノーデジタルズームで撮影しないと上達しないんです。
撮影する段階で、ブログにそのまま使える写真を心がけて撮りましょう。
変なものが映り込むならズームではなく、自分が動いて映らない場所から撮影するなど。
また、垂直水平などの意識もしてシャッターを押すようにしましょう。
ちなみに、iPhone6sのカメラは、35mm換算で29mmくらいのレンズに相当するので、広角の短焦点レンズだと思って撮影すると良いそうです。
構図について
さて、ここまで紹介した「基本」を抑えるのは当然として…。
じゃ、どこで差をつけるか!?
となってくると、大事なのは「構図」です。
その構図について代表的なパターンを紹介していただきました。
日の丸構図
日の丸構図って良くないと言われることが多いですが、実際は悪くないですし、これが基本なんです。
ストレート直球勝負。製品発表会の製品も。ブロガーとして、基本はこれを押さえる。
三角構図
次に意識するのは、三角構図。
視線の誘導によって奥行き感を出して雰囲気を伝える。
例えばこの写真。
パッと白い犬に目が行ったあと、道路の消失点に向かってスーッと目線が引き込まれますよね。
シンメトリー構図
次によく使うのは、シンメトリー構図。左右・上下対称で撮影する。
これ、デザイン的にも落ち着く写真になるんですよね。
ただ、実はこれかなり難しい。
しかもiPhoneは特に難しいんです。
その理由がこちら。
iPhoneのカメラは本体の中心に無いから、本体を基準に構えると少し傾いちゃうんです。
この辺りを意識して、人や車の正面に立って傾かないように撮るように心がけましょう。
基本を押さえてからの「崩し」
上記の構図の基本をわかったうえで、方向性や動感を出すと面白さが出るんです。
「基本をわかってから崩す」のが大事。
例えばこちら。
スカイツリーと、何だと思いますか?
この、画面内を大きく覆っている黒い影は、川の土手なんだそうです。
こちらも、なんでもない横断歩道ですけどシンメトリーに撮らずあえて斜めにすることで動きが出て面白い写真になってるんです。
そういう意味では、製品発表会でも基本を押さえつつ、崩した写真を何枚か撮ると良いんだそうです。
ただ単に撮るのではなく考えてバリエーションとして数を撮る。これが大事なんです。
そのために便利なのが、iPhoneのグリッド表示。
設定からONにすれば使えるのですが、これはもう常時ONにしておくべきだと思いますね。
これがあると画面の中でどの要素をどう配置するかを考えるのに便利です。
フットワークは大事
最後に、大事なこととして、フットワーク軽く自分が動こう。という点。
正面・横から・斜めから、縦位置・横位置、寄りと引きなどなど…。
バリエーションを撮っておくと、幅が出てくるんです。
例えばこの自由の女神。
ちょっと台座を切れるような構図にしてみたり。
それを縦位置で撮影してみたり。
こここそが、ほかの人の写真と差を出せるポイントなんですよね。
講座の後半は、実践編!
ここまでは座学。
そして、ここから実際に人物を一人3分撮影し、一番よいと思った写真を1枚提出。
三井さんに講評してもらうという実践編に入ります。
条件として、
・スマホで撮影
・ノートリミング、ノー補正
・人が撮ってる際に横から撮るのはNG
・しっかりとモデルさんとコミュニケーションを撮って撮影すること
会議室という限られたスペースでしたが、各自がベストだと思う場所で、モデルさんに指示を与えながら、アングルや構図を意識して撮影をしていきます。
人が撮影しているのを見るのも参考になるし面白いですよね。
スマホを逆さにして下からグッと煽る方法を試している人も。
いろんな写真が撮られていて、最後の講評の時も色々と発見がありました。
あ、ちなみに私が撮影した写真はこちらです。
被写体ののりおさんと言えば、私の中ではカメラの人という印象が強かったことなどから、
「子供の写真を撮っていると思ってカメラを構えてください!」と指示してみました。
その様子を、少し下から煽って撮影、表情としては目しか見えていませんがそれでもファインダーを通して見えている子供を思う父親カメラマンの表情を写し取りました。
三井さんの写真の保存について
最後に質問コーナーで「三井さんは写真の管理ってどうしてますか?」と質問してみました。
すると、HDD2台に分けてバックアップを取っているそうです。
しかも、三井さんは撮影した写真データはすべて消去せず取っておくそうです。
手ブレ、目つぶりなどの失敗写真も消さないんです。
これ、「どういう時に失敗したのかも重要」なログデータで、後から見返すことで改善ポイントが見つかることもあるのだとか。
この辺りも面白い話が聞けました。
わんぱくブロガー的まとめ
いやー。知らないことや、普段意識していなかったことも多く学べたので、今後スマホはもちろん、デジタル一眼で撮る時も参考したいと思いました。
これから写真を撮る際はこれらを忘れないようにするだけで、印象の良い写真が撮れるようになると思います。
ま、あとは数撮って無意識にこういうことができるようにならないとですね。
もっともっと三井さんのお話が聞きたかったなぁ…。
とりあえずは、三井さんの本を買って勉強したいと思います。
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