平日昼間は会社員をしている、むねさだ(@mu_ne3)です。
みなさん…
「いい会議、してますか?」
こう聞かれて、「はい!してます!」という方は、この記事を読まなくても良いかもしれません。
ただね、日本の企業に勤めている人ならば、
・会議が長すぎる
・何も決まらない会議によく出席している
なんて人、多いんじゃないでしょうか?
そんな人に最適な内容のお話を聞いてきましたので、ご紹介したいと思います。
会議×ラクガキ×ITであなたのビジネスを加速させよう
ということで、行ってきましたのは、品川にある、日本マイクロソフト本社。
そこでこんなテーマのイベントが開催されたんです。
「会議×ラクガキ×ITであなたのビジネスを加速させよう。」
【会議 x ラクガキ x IT】で、あなたのビジネスを加速させよう!|EventRegist(イベントレジスト)
講師は、日本マイクロソフトの澤 円(さわ まどか)氏。
もう一人は、ラクガキコーチで知られるタムラカイ氏。
いろいろ縁あって、「面白いことなんかやりましょうか」的なノリで決まった本イベント。
いや、そんなノリで決まったとは思えないほど良い内容でしたね。
中心にあるのは、Microsoft Surface Hub
本イベントは、澤さんが「会議をITで効率化していく」というお話をされるその横で、タムカイ氏が「Microsoft Surface Hub」を使ってリアルタイムにラクガキで内容を視覚化していくスタイルで進められます。
2万ドルチョイするというこの巨大なMicrosoft Surface Hub。
タッチスクリーンを備えた、大きなWindowsマシンのような感じです。
これを使って何かできないか?と考えた時に、
会議×ラクガキ×IT(Surfaceハブ)をやってみよう!とこのイベントが企画されたんだそうです。
さてさて、ここから澤さんのとてもためになるプレゼンを紹介していきます。
日本の労働生産性は先進国7カ国中19年連続最下位
このグラフ、何だと思いますか?
なんとこれ、「労働生産性の国際比較」なんです。
この図は、単純にGDPを労働人数で割った数。
労働時間で計算すると、おそらくはもっと日本の数値は悪くなるはず・・・。
これ、内需が大きい場合はこれでも良いんですが、現在はそうではないですよね…。
少子化で、国外とビジネスをしなければいけない現在の日本においてこの状態は良くないというわけです。
では、海外とビジネスをする上で意識しなければ行けないことはなんなのか?
文化・民族で違うコミュニケーションスタイル
文化や民族が違えば、コミュニケーションスタイルも違ってきます。
どれが良い悪いというわけではなく、違いがあるということをまずは意識することが大事なんです。
例えば、アメリカ・ヨーロッパのコミュニケーションスタイルは、バスケットボールに例えられます。
全員参加、全員が役割を持っており、常に周りを見ながら自分の役割を考えて動き続けます。
一人でもボーッとしてると周りに迷惑をかけてしまうんです。
次に、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)のコミュニケーションスタイルはラグビーに例えられます。
タックルされるまで自分が話す。自分のターンの間は主張し続けるんです。
自分が行けるなら一気に走ってゴールまで持っていくスタイル。
対して日本は、どんな球技に例えられるんでしょうか?
答えはこちら。
ボーリングです。
誰かが話している間は割り込まない。順番が決まっている。自分の番は必ず回ってくるのでその時にゆっくりと自分が言いたいことを言うスタイル。
ちなみに、海外のコミュニケーション講座では、
日本人には、「あなたの番ですよ?」とボールを渡してあげないと話さないからね。と教わるそうです。
なんとも情けないですよね…。
これらのスタイルの違いを意識しておかないとコミュニケーションを失敗してしまうわけです。
日本の会議であるある
交通系日本企業からインターンで日本マイクロソフトに来ていた男性が発した衝撃の言葉。
「会議で何かが決まるのをはじめて見ました」…と。
会場に参加していた他の聴講者にアンケートをとっても私を含め、こういう人は多かったです。
・偉い人の話を聞くのが会議
・会議はなんとなく無駄が多いと感じる
年功序列・終身雇用の多い日本では、ヒエラルキーがしっかりしているので、こうなりやすいんだそうです。
いい面もあるが、上下関係ができてしまい、実力主義を取り入れるのが難しくなるんです。
これは、内需が高い場合はこれで問題ないけれど、今の時代だと「無駄が増える」「出る杭が出てこない」という問題に繋がってしまいます。
「校長先生のお話を聞きましょう」が会社に入っても続いているというわけです。
なるほど…。
偉い人の話は邪魔しちゃダメ、黙って聞くべし。が染み付いてしまっているんですね…。
日本に広がる「ホウレンソウ」文化
さらに、日本の会議において、「ホウレンソウ運動」が良くない影響を与えてしまっています。
上司には、「報告・連絡・相談」をしましょう。というこの運動。
良い文化ではあるんです。コミュニケーション取ろうね。という話なので。
ただし、「報告・連絡」は過去のこと。
「相談」はこれからのこと。
大事なのは、「相談」なんですよね。
スケジュール調整=コスト という考え方が無いのが問題!
あなたが参加している会議は、「報告・連絡」のために時間を使いすぎていませんか?
自分に関係しない報告連絡を聞くのは退屈でしかないですよね…。
これ、問題はスケジュール調整=コスト という意識が殆ど無いところにあるんです。
この考え方は大事ですよね…。頭ではわかっていても、意識できているかというと抜けている人も多いんじゃ無いでしょうか?
これは、日本が「終身雇用が多い」というのが関係しているんだそうです。
また、年俸制ではなく残業代という考え方のある日本だと、「生活残業」という言葉があるくらいなので、効率よく働く必要の無い人もいるのも問題につながっているんです。
10人で2時間の会議をすると、○万円のコストが掛かっているというのを意識すると無駄がなくなりやすくなりますよね。
日本マイクロソフトも昔は悪循環に陥っていた
日本マイクロソフトも、昔はこの悪循環に陥っていたわけです。
オフィスのレイアウトもこのように、「デスクトップPC」「固定電話」「書類(資料)が入っているキャビネット」のある机。
ここに縛られて仕事をしていたんですよね。
試しに、キャビネットをやめて島型対向の良くあるオフィスに変更してみたんですが、これがまた良くなくて…。
この島型対向は、席の近くで立ち話的に話をするスペースさえ無いんですよね。
仕方が無いから打ち合わせの為に会議室を取りたいが、会議室はいつも満室…。
会議室が取れないから、と議題を先延ばしにする…。
(本来は、立ち話的に30分くらいでサクッと動き始める可能性のあるプロジェクトもあるのに…)
ビジネスのスピードが会議室に影響を受けてしまうという問題が発生してしまいます。
これにより、日本マイクロソフトの業績は右肩下がりになって行った時期があるんです。
こうなると、なんで効率が悪いのかをミーティングし始めてしまい、そこに時間を取られて更に業績が悪くなる…。
上司に対し、「どうして業績が悪いかを報告・連絡」をしなければならなくなり、その資料を作るためにまた会議をしながら時間を使ってしまい、見事な悪循環。
日本マイクロソフトの旧新宿本社時代は残念ながらこうだったんです。
では、今はどうなのか!
品川オフィスへ引っ越しを機に変化が!
品川へオフィス移動する際に、オフィスのレイアウトをガラリと変えたんです。
席と席の間にスペースをとったら、席の隣で立ち話で会話ができるようになった。
これにより会議室を取らなくても議論が進むようになりビジネスのスピードが格段に上がり始めます。
今では、基本的には、Skypeでステータスを確認して連絡をするようになったんです。
「報告・連絡」はなるべくツール(Skypeやメッセンジャー)を使って直接対話の時間を使わないようにし、「相談」は会えるなら直接会うし、会えないならSkypeで会話する。
結果、フェイスtoフェイスでの会話と、ツールを使った会話を半々の割合にすることができたんです。
なんでこれが実行できたのか?
いや、そんなのやろうとしたことがあるけど上手く行かないよ…と思った人も多いんじゃないでしょうか?
日本マイクロソフトがこの方法で仕事が回り始めた理由として、引っ越しをした時期に秘密があるんです。
2011年2月に引っ越しを行いました。
最初は文句が出ました。
「俺の席がない…」「会議とは顔を合わせてやるもんだ」、と。
が。
引越しから1ヶ月あとに3.11が起こってしまったんです。
これにより、即、自宅勤務推奨となり、ツール(Skype for Business)を使う文化が広がったんです。
震災から1ヶ月後、「会議室を使わなくても自分達は仕事ができる」ということに気がついたんです。
その分、Microsoftは震災後、自分たちではなくお客さんの為に時間をつかうことができたんです。
それからは、ツールを使ったコミュニケーションを上手く業務に取り入れて、右肩下がりだった業績がまさにV字回復。
現在でもこの好調ぶりをキープできているそうです。
マイクロソフトの会議とは!?
Microsoftでは、会議の際言ったら負けのフレーズがあるんです。
それが、「持ち帰って検討します」。
これを言った瞬間、その案件が無しと同じことになるんです。
基本は、即その会議の中で結論を出すんです。
その為に、会議に出席しているリーダーは常にメンバーとチャットがつながっており、オンラインで連絡を取り合い即決めるわけです。
「その件は、うちのメンバーが◯◯日でやるといっています」とか「その件に関しましては資料が今手元に届きましたので説明させていただきます」的な。
マイクロソフトの報告書はフォーマットが完全に決められている
グローバルに大きな会議では、報告・連絡は会議の24時間前までに同じフォーマットでサーバーにUPされます。
その為、会議が始まる前までに報告・連絡は終わっていますし、フォーマットが完全に同じだと上部の人の判断がしやすくなるんです。
これにより、会議の効率が劇的に上がる
これ、当たり前なんですがすごいことですよね。
ITの活用でより便利に、効率化を!
人間には「距離と時間は変えられない」んですよね。
ただし、今回の話の中で出てきたツール(Skypeなど)など、ITを使うと変えることができるんです!
いかに効率を良くしていくか、でBusinessがおおきく変わってくるんです。
例えば澤さんは、Microsoft Surface HubとSkype for Business。
まぁ、今回は製品の説明では無いので興味があれば調べてくださいね。って感じでサラッと流してましたが、確かに社内でSkypeを使ったり、遠地ともホワイトボード感覚で手書きの議事を共有できるSurface Hubはとても良いと感じました。
これうちの会社にも大量に欲しいな…。
後半はタムカイ氏のラクガキ講座
後半は、前半ずっと、澤さんのプレゼンの横でリアルタイムにグラフィックレコーディングをしていたタムカイ氏のラクガキ講座が始まります。
会議のメモに、人の顔が描かれていると気持ちも伝わるし、目も止まりやすいんです。
顔は、ローマ字と同じで組み合わせなのでアスキーアートのようにパーツと組み合わせ方を覚えていけば使えるんです!
この辺りの内容については以前ブログでも紹介していますのでこちらをご覧ください。
こういうのをメモの中に入れると、文字だけのメモよりも伝わるんです。
懇親会で濃い質問や意見交換も!
この後は質疑応答や懇親会が行われ、会議やプレゼンの方法についてや、ラクガキについてなどいろいろな質問や意見交換を行いました。
お酒が入ってくると聞けることもちらほらとありますよね。
特に私としては、澤さんのプレゼンの極意の話は、とても役に立つ内容ばかりでした。
これ、次回澤さんによるプレゼン系のセミナーがあれば是非とも聞きに行きたいですね…。
わんぱくブロガー的まとめ
ということで長文になってしまいましたが、当日聞いた話の中には紹介しきれなかったけれどとても大事な内容もまだまだたくさんありました。
とりあえず今回の内容をまとめておくと
・「報告・連絡」は会議の前に済ませよう
・ツール(Skypeやメッセンジャー)を活用してスピーディーな議論を
・会議の結論は先延ばしせずその時に出す
という感じでしょうか。
まずは、実践できる部分からやってみませんか?
外資系エリートのシンプルな伝え方