ブログを毎日更新し続けて4年以上になります、むねさだ(@mu_ne3)です。
ありがたいことに、ブロガーとして取材のお話を頂くことも増えてきました。
ただ、良くも悪くも我流で、自分の方法が最適なのか分からないまま取材していることも多いんですよね。
そんなわけで、ちょっと詳しく知りたいと思っていた所、AMNのレビューズ主催の勉強会が行われるということで、参加してきました。
プロのライターさんのノウハウを聞ける勉強会でとても参考になりましたので、ご紹介したいと思います。
ライター歴29年!「武者良太」さん
という事で今回の講師は、フリーライターの「武者良太」さん。
武者さんのお仕事はこのまとめを見ると分かりやすいと思います。
フリーライター・武者良太 制作実績まとめ – NAVER まとめ
主にGIZMODOで記事を書かれていることが多く、多くのメディアで記事を書いている超人気ライターさん!
ガジェットが好きな人ならば間違いなく武者さんの記事は読んだことがあるはずです。
もともとは昔の紙からのライターさんで、1987年よりパソコン・ゲーム雑誌で執筆活動を開始されていてキャリア歴はとても長いんです。
今の時代、ウェブライターというとヨッピーさんを筆頭に「個」を出す人が多い中、昔の紙媒体のライターは、名前を出さない・個を出さないのが普通だったそうで、その流れから、武者さんは名前や個性を前面に出して記事を書くことは少ないんだそうです。
例えばこの記事とか。
タントカスタムの中に電車を走らせてみた。何を言っているのかといいますと : ギズモード・ジャパン
記事を最後まで読み進めると文末に「執筆:武者良太」と小さく書いてある位。
そんな「個を出さず、企画や文章で勝負」している武者さんの、「イベント取材」や「人物取材」のノウハウについて教えて頂きました。
「モノにまつわるイベント・人物取材のキーポイント」
今回、そんな武者さんが話してくださったのは、「モノにまつわるイベント・人物取材のキーポイント」について。
これは、ライターのみならず、ブロガーにも共通する話題が多いからとのことで、このテーマになったんだと思います。
大きく分けて、「発表会取材」「展示会取材」「インタビュー取材」の3つの方向性でお話しいただきました。
全てを書き起こすとスゴイボリュームになるので、それぞれかいつまんで紹介して行こうと思います。
発表会取材のポイント
まずは、発表会取材のポイント。
発表会とは、このようなイベント会場などで製品やサービスについて大々的に発表されるイベントの事。
当然、多くのライターさんやカメラマンさんに混ざって取材をすることになります。
そんな、発表会取材におけるノウハウのうち、私が大事だな!と思った内容に絞って紹介するとこんな感じ。
・いい席を押さえるためにできるだけ早く入場せよ
・後ろの席になることもあるので望遠レンズも用意
【撮影編】
・フォトセッションでは「目線をください」の声掛けで2~3カット。それ以上撮影だと周りに迷惑。
・製品デモは、操作をしている人も込みで撮影できるポイントを探す
・製品ロゴやメーカーロゴはマクロレンズでアップで撮影しておくと何かと便利
・コンパニオンを撮影する位なら、エンジニアに話を聞くべし
【その他】
・特別な理由が無ければ質疑応答はスルーして良い
製品ロゴやメーカーロゴ、特徴的なパーツをアップで撮影しておくのも、記事内に「箸休め」的に使えるんだそうです。
文章が続くなーって時に、スッと差し込むと読んでる方としても読みやすいんですよね。
ビックリしたのが「特別な理由が無ければ質疑応答はスルーして良い」という部分。
大きな発表会イベントでは、大抵が偉い人が質問を受け付けるので、タッチ&トライコーナーの説明員さんでも答えられる内容はそちらで聞くほうが良いんだそうです。
これ、さらに詳しく聞いてみたのですが、こちらも興味深いテクニックを教わりました。
「発表会の内容は二の次ごめんなさい。タッチ&トライが目的のイベント」の場合は、発表会会場内に布で被われた机があるかどうかをチェック。
あるならその机から近い位置に、ないなら別室に実機が用意されるケースが多いので後方の座席に着席。
また別室がタッチ&トライコーナーとなる場合は、質疑応答~壇上のフォトセッションの間に発表会会場を退出。その時間帯にはすでに触れるようになっていることが多いので。
あくまで「綺麗な状態の製品を撮りたい」「発表会の内容はリリースみればなんとかなる」「ファーストインプレッション記事を極力早く公開したい」という、ライターならではの目的によるものですが。
すげぇぇぇ!
全員でこれをやると問題になってしまうとは思うので、周りを見ながらだとは思いますが、「速報命!」の取材の場合には参考にしたいですね。
展示会取材のポイント
次に話をされたのは、展示会取材のポイントについて。
展示会とは、ビックサイトや幕張メッセなどで開かれる多くの企業が参加しているイベント。
これについても、私が大事だな、と思ったポイントをまとめるとこんな感じ。
・展示会会場は重機が入っても良いように床が硬くできてる。革靴などで行くと疲労がたまるのでスニーカーで行くべし
(帰宅後に記事を書く体力を残しておく必要がある)
・衣類の上半身は黒系。映り込みを防ぐ狙い
・下半身はワークパンツ推し。レンズが腿のポケットに入ると機動力上がる
面白いと思ったのが、ズボン。これのサイドポケットにレンズを入れちゃうんだそうです。
・明るく見えても暗い場所が多いので手振れに強いカメラを
・マクロレンズもしくはマクロに強いコンデジを
・超広角、ないしはGoProのように広角のアクションカム
(会場の様子を広く写せる)
⇒無ければ、スマホ用外付け広角レンズでもOK
・ストロボを使うと被写体を浮き上がらせた写真が撮れる
・直接関係ない被写体も撮影しておくとのちのち便利
・背景はノイズなので、なるべく映らないように工夫
ここの撮影のノウハウも勉強になりましたね…。
なるほど。スマホ用の広角レンズ持って行くのはアリですね。
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背景はノイズなので、なるべく暗く映るようにしてストロボで製品だけを浮かび上がらせるとか。
ライターと言いながら、もうこれカメラマンさんですよ…。
・エンジニアの人に「自分の製品愛」を伝える場ではない。情報を持って帰るのが目的
・何が新しいのか、旧モデルがあるならそれとの新旧比較ポイントを聞く
・人気の展示会は多くのメディアが取り上げるので、あえて外した記事にするのもアリ
これもなるほど…と感心してしまいました。
ついつい好きなメーカーに行くと「自分がどれだけこの会社が好きか」を話してしまう人もいると思います。
そうすると、本来聞くべきだった製品に関する情報を聞く時間が減ってしまいますからね…。
インタビュー取材のポイント
最後に、インタビュー取材のポイントについても教えてもらいました。
個人的には、経験の浅い分野なのでここも大変参考になりました。
要点をまとめておくとこんな感じ。
⇒社長さん:その製品で世の中がどう変わるか
⇒プロジェクトリーダー:大変だったこと、苦労したこと、一番のアピールポイント
⇒エンジニア:技術的なポイント、スペック、開発秘話
・エンジニアの人は普段話慣れてない人も多い
⇒「それってこういう事でしょうか?」とたとえ話を入れてYes/Noで答えられる質問を。そこから更に引き出す。
⇒ただし、例え話系は社長さんなどにはNG。怒らせてしまう場合があるので注意
・カメラを向けると表情が硬くなる、撮られ慣れてないから。
⇒ファインダーをのぞかずに撮影したり、離れた場所に三脚たてて、リモートでシャッターを切ったりする
・適度に「自分話」を盛り込む、そこから話を引き出す
面白いなーと思ったのが、武者さん独自の訓練法。
普段から、一人で立ち飲み屋に行って、知らない人と話をすることも訓練につながるんだそうです。
「聞き上手」になれるんだとか。
わんぱくブロガー的まとめ
最後に質問コーナーの話で一番印象に残ったのが、語彙力や比喩力を高める工夫として、「映画を見る」「漫画を読む」ことが大事なんだそうです。
ドラゴンボールとかジブリとかジョジョとか。みんなが知っていることに話を例えると引き込みやすくなるんです。
例えば、「戦闘力たったの5…ゴミめ…」なんてキーワードを織り込むと、30~40代の人には何のことかすぐ分かりますよね。
なるほど…。これは面白いなー、と。
「~~秒でしたくしな!」とか入れると、「あwラピュタだ!」って分かりますもんね。クスッとなっちゃいますし、それで文章に引き込まれるんですよね。
そんなこんなで、1時間半近くの勉強会があっという間に終わってしまいました。
色々話を聞けましたが、知らないことも多く、勉強になりました!
AMNでは今後もこのような勉強会「ブロガーレベルアップ講座」を定期的に開催して、ブロガーのクオリティを高めて行きたいとの話だったので、私もどんどん参加して行きたいと思います。
前回の勉強会は「写真の著作権・肖像権」について
弁護士の先生に、「ブログで使う写真の著作権」について話を聞いてきました。
写真の著作権・肖像権などについて弁護士に聞いてきたぞ! #AMN旅ブログ勉強会 | むねさだブログ
ちなみに、この時の当ブログの記事が検索でかなり上位に来てるらしく弁護士の先生もすごく喜んでらっしゃいました。
むねさださんのおかげ https://t.co/mzcfRuW61l でGoogle「写真 著作権 弁護士」3位になったので、写真共有サイト様あたりからの顧問弁護士依頼をお待ちしております
— 弁護士 河瀬季@モノリス法律事務所 (@tokikawase) November 26, 2015
@tokikawase おぉぉ!?嬉しいです!講義の内容が良かったので僕はそれをそのまま書いたまでですよー。とても分かり易く参考になりました!ありがとうございました!
— むねさだ よしろう@わんぱくブロガー (@mu_ne3) November 26, 2015