現在、5歳になる娘がいます、むねさだ(@mu_ne3)です。
パパさんママさん!
皆さんはSNSに子どもの写真をアップしますか?
公開設定?限定公開?モザイクあり?なし?
色々と考える人はもちろん、そんなの考えたことが無かった!という人にこそ知ってほしい「子どもの写真とSNS」の話を聞いてきましたのでご紹介したいと思います。
アバスト主催「パパママが知っておきたいSNSとの付き合い方」に関する勉強会
という事で参加してきましたのは、アバスト主催「パパママが知っておきたいSNSとの付き合い方」に関する勉強会。
主催は、アバスト ソフトウェア ジャパン合同会社という、セキュリティソフトウェアを提供している会社。
まずは、主催のアバストの説明から。
アバストとは?
アバスト(avast)とは、世界で最大のセキュリティテクノロジーの会社。
本社はチェコのプラハ。
世界13カ国で2000名の従業員がおり、もっとも一般ユーザーにダウンロードされているセキュリティソフトウェアの会社なんです。
日本でも580万ユーザー以上がおり、東京大手町に本社を置いているので、日本語によるサポートもしっかりしています。
そんなアバストの主力商品はこちら。
無料で使えるパソコン向けやスマホ向け製品もあります。
アバストの「親による写真共有」に関する調査結果
そんな、セキュリティソフトウェア会社のアバストが調査をしてわかった、親による写真共有の問題について、説明が始まります。
FacebookやInstagramを見ていると、友人知人、はたまた他人のお子さんのモザイク無しの写真で溢れてますよね…。
この何気なく子どもの写真をシェアすることの何が問題なのか…。見ていきましょう。
親がこどもの写真をSNSシェアする「シェアレンティング」
ちなみに「シェアレンティング」という言葉を聞いたことがありますか?
シェアレンティングとは、シェアと子育て(ペアレンティング)の二つの言葉を足した、最近できた言葉。
例えばこちら。
映画アイアンマンの美人秘書ペッパーポッツ役などで有名な、女優のグウィネス・パルトローさんのInstagram。
子どもとの写真をSNSに共有したことで、親子ゲンカにつながったそうです。
また、日本における事例として、渡辺満里奈さんのツイート例。
今日は娘の9歳の誕生日✨
「生まれたての時の写真をSNSに載せてもいい?」と聞いたら、
「載せてほしくない。自分が大人になって自分(の意思)で載せるならいいけど」(意訳)と娘っこ。
うん。娘はSNSを一度も見たことがないけど、その意思表示とても大切。— 渡辺満里奈 (@marina_w1970) June 24, 2019
この満里奈さんのツイート、良いですねぇ!
けど、イマイチ何が問題なのかピンときていない人もいるんじゃないでしょうか?
一度公開すると消しきれない「デジタルタトゥー」
けど、まぁまだ大丈夫。言われたら問題があればその時消すし…と思っている人!
デジタルタトゥーという言葉を知っていますか?
デジタルタトゥーとは、自分や他者の情報をインターネット上に公開した時にインターネット上に足跡が残ることを言います。
一度公開してしまえば、キャッシュが残ったり、コピーされたりする危険性はありますし、一度広まると、完全に消し去ることはほぼ無理となります。
また、自分が気が付かなかった情報までシェアされていることもあるんです。
位置情報、周りに写り込んでいる背景や人。使っているブラウザや端末の情報までも。
そこで、アバストは2000名以上の親に対して調査を行いました。
20代ママの8割がモザイクなしで子ども写真をシェア!?
その結果、日本人の4人に1人が、自分の子どもの写真をモザイク無しでシェアしているという事実が発覚しました。
一見すると思ったよりは低い…と感じるかもしれません。
が、内容を詳しく分析すると、驚くべき内容が明らかになったんです。
それが、20代の女性の8割が、子どもの写真をモザイク無しでSNSに投稿したことがあるということ。
また、60%の日本人が自分の子どもに対して、SNSに写真を共有することの許可を取っていないということもわかったのです。
と言っても、限定公開とかにしてるでしょう?と思ったのですが…。
なんと、日本人の38%がSNSで非公開にしているコンテンツはない、と回答しているんです。
理解してしているならまだしも、なんと2割以上の人は、やり方がわからないから非公開にしていないとのこと…。
これは大問題!
何が問題なの!?
自分は有名人でもないし、得に問題ないでしょう?と思っている人や、何が問題につながるのかを理解していない人もチラホラいますよね…。
ここで、日本人がオンラインでシェアしている情報をまとめてみました。
出身地、本名、学校名、誕生日、メルアドや交友関係、ペットの名前などなど。
これらは、一見問題ないように見えても、Webサービスにログインするためのパスワードに含めたりするキーワードの可能性があるんですよね。
ペットの名前と自分の生年月日を組み合わせてパスワードにしていませんか?
こちらは、不正アクセス禁止法違反の検挙数の推移。
この内の50%がIDやパスワードなどの個人情報の入手だそうですよ…。気をつけましょう。
シェアレンティングの問題点について
さらに、シェアレンティングの問題点について聞いていきます。
概要だけ伝えると、シェアレンティングによって、親子関係の悪化、ネットいじめやハラスメント、サイバー犯罪、個人情報漏洩などが考えられるんだそうです。
例えば、14歳の女の子ソニアさん。親のSNSアカウントに、自分の子供時代の写真〜12歳・13歳の直前の写真までが公開設定で上がっていることに気が付いたり。
また、とある女性が妊婦になった、とブログに書いて写真をアップしたところ、公開情報になっていたので、悪質な人によって、ポルノサイトに投稿されたそうです。
パソコンや携帯電話を使ったいじめの原因にも?
さらに、こちらのグラフをご覧ください。
パソコンや携帯電話を使ったいじめの件数のグラフです。当然なら右肩上がりで上がっていますが、子どもの時の変顔の写真などがいじめに利用されたりする例もあるそうです。
オムツの写真を使われたり、まだ髪の毛が少ないだけでも、年頃の子ども達にとってはネタになるかもしれないんですよね。
写真を晒すぞ!と脅してくる詐欺も
晒しという手口の詐欺も横行しています。
ランサムウェア(身代金攻撃)に近いのですが、通常のものは、企業に対してデータをロックして使えなくして、身代金を払わなければ解除できないぞ!と脅す手口。
個人に対してだと、プライバシーに関わるような情報や写真を公開するぞ!と脅してくるそうです。
シェアレンティングの問題を回避しよう
ということで、ここまで説明したものも含めて、シェアレンティングの問題の回避策をまとめるとこんな感じ。
・公開範囲を確認する
・子どもにも確認する
・まだ理解できない年齢ならば、「将来子どもがこれを見た時どう思うか」を意識する
・他人の子どもが写った写真を公開しない
・フィッシング対策が可能なアンチウイルスソフトを導入する
子どもの写真のシェアについては、気をつけていたつもりですが、改めて自分の投稿について、考え直そうと思いました。
パパママが知っておきたいSNSとの付き合い方
ここからは、ITジャーナリストの高橋暁子さんによる、「パパママが知っておきたいSNSとの付き合い方」というお話。
高橋さんは、もともと小学校の先生をしていたというITジャーナリスト。
小学生のお子さんのママでもあり、現在は本を書いたり小学校から大学などでSNSについて講演をされたりしています。
クイズ形式で今の子どもとSNSの関係について聞かせていただきました。
SNSのアカウントは一人1つ?
10代にとって、SNSのアカウントは1人一つではなく、複垢所持が一般的。
2017年の調査で、10代の6割以上が複数所持で、多い人だと20くらいアカウントがあるそうです。今だともっと多いはず。
高校用、大学用、バイト用、鍵垢、など複数を付き合う人によって使い分けるんだとか。
Twitterの本垢は本名で!
それでいて、なんと本垢は本名の人が多いそうです。
何と…!?
これ、10代にとってはTwitterはインフラ。我々世代がFacebookで実名を使うような感覚なんでしょうかねぇ。
小学生のスマホ所持率は?
小学生のスマホ所持率は、およそ3割。
小学生の子どもはタブレットやゲーム機のインターネット、iPod touchなどでインターネットを利用します。
つまり、小学生を狙った犯罪者はゲーム機からのネットアクセスを狙って接触をしてくる人もいるそうです。
各年代の利用するSNS
小学生のうちは、SNSと言っても、見るのが中心。
YouTubeやTikTok。LINEは親のを使って、という感じだそうです。
中学生くらいになると、様々なSNSを使い始めます。
ミックスチャンネル、ひま部、Zenly(ゼンリー)など、私が知らないSNSがたくさんある…。
これらのSNSを使って、今どこにいるというのを共有しまくっているそうです…
高校生になると、そこからインスタとTwitterをものすごく使いこなす感じになります。
大学生ともなると、マッチングアプリも入ってくるのだとか。
これは…女児を持っている自分にとって驚きです。
子どもの写真をSNSに公開するメリットデメリット
ここで、高橋さんの考える、子どもの写真をSNSに公開するメリットデメリットについて。
そう。子どもの写真をシェアすることのメリットもあるんですよ。
シェアするメリット
シェアすること全てが悪なのではなく、シェアすることでのメリットもあります。
・育児で孤独に陥らない
・情報が集まる
・知人達に一斉に報告できる
・可愛いね、と言ってもらえる
など。
確かに、子育てに悩みはつきもの。また、写真を元にアドバイスをもらえるなどのメリットもあります。
シェアするデメリット
もちろん、冒頭にもあったようにシェアすることでのデメリットもあります。
・インターネットに公開すると一生残る可能性があり、悪用の危険も(デジタルタトゥー)
・写真は個人情報を多く含むのでプライベート情報が筒抜けに
・児童ポルノ
・誘拐やいじめにつながる危険性
など。
知らない間に、自分の子どもがアジアの知らない人の子供として写真が公開し続けられていた、というデジタル誘拐というのもあるんだそうです。
ハッシュタグは危険!
特に、ハッシュタグの使い方にはご注意ください…。
#パパとお風呂
#トイレトレーニング開始
#入学式
#運動会
#誕生日
この辺りで調べると、モザイクもなしに写真をアップしている写真がワンサカ見つかります…。
子どもの名前、小学校名から学区、近所の写真から自宅の大まかな場所がわかると…。どういう危険性があるかわかりますよね?
これらは、特にインスタの若いママユーザーに多いそうなので注意しましょう。
子どもに訴えられる「晒しすぎな」保護者たち
このシェアレンティングがエスカレートすると、子どもから訴訟されちゃう親も…。
このように、親による子どもの写真のSNS投稿の問題は、国によっては罰金になる法律もあるそうですよ。
子どもの写真じゃなければOK?
では、子どもの写真じゃなければOKか、というとそれだけじゃないんですよね。気をつけるべきこと。
TwitterのIDからインスタのIDが見つかり、そこから紐付いてるFacebookアカウントが見つかり、本名が分かり、ここから交友関係が分かり、更にその友人知人の投稿からたどって、写真を特定されたり。
ツイート時間から、学生かどうかがわかったりライフスタイルまで見えてきます。
絶対ダメなのは、自宅の窓から写真。
「今日も天気だ!スカイツリーが見える!」なんてツイートをすると、見えている周りのビルなどから、どのマンションの何階くらいというのもわかってしまいます。
最後に「SNSに子どもの写真を安全に公開するコツ」のまとめとして。こんな感じ。
・園名・学校名がわかる情報は出さない
・自宅が特定できる情報は公開しない
・本人が将来的に困ることは公開しない
・公開範囲を考えて公開する
・顔写真をいつまで公開するかを考えておく
これらをしっかりと心に留めておきましょう!
わんぱくブロガー的まとめ
色々話を聞いて怖くなった人もいるかと思いますが、途中説明したように、SNSに写真をシェアすることのメリットもあります。
もう一度、肝心なのはこちら。
・子どもも他人
・SNSは公開の場
・子どもが将来不利益をこうむる情報は公開しない
なるほどなぁ…。
私の周りにも、子どもの写真を本名とともに公開している人もチラホラといるので、気をつけましょう!