平日の日中はサラリーマンとして働いています、ブロガーのむねさだ(@mu_ne3)です。
会社員でもフリーランスでも、「企画」を考えて提案するのが仕事って人、多いですよね。
お客様に対しての企画じゃなくても、社内のイベントやちょっとした改善なども企画と考えると多くの人がやっていることだと思います。
そんな人達におススメな書籍が発売されていました!
それが、一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)です。
タイトルだけ見ても、「お!?読んでみたい!」と思った人多いんじゃないですか?
今回は、そんな「一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)」の内容を実践形式で体験できる、ワークショップイベントに参加してきましたのでご紹介したいと思います!
『企画のメモ技』実践ワークショップ
という事で行ってきましたのは、Yahoo LODGEで開催された『企画のメモ技』実践ワークショップ ~メモをつかった企画のつくり方を学ぶ~です。
このイベントでは、2018年2月26日に発売された書籍『一生仕事で困らない 企画のメモ技』(高橋晋平・著 あさ出版)で紹介されている、自分の「欲求」をメモすることで企画を生み出すメソッドを使い、参加者全員で、現在社会的な課題にもなっている「本の新しい売り方」の企画を考えるワークショップを行います。本の企画作りの達人ゲストによるパネルディスカッションも実施。様々な業界からの参加者同士で対話しながら、企画を生み出すメモ術について学び、実際に使える新しい企画を考えましょう!
自分の「欲求」をメモすることで企画を生み出すメソッド!?これは気になりますよね!
イベントは全部で3部構成。
「トークセッション」「ワークショップ」「ディスカッション・質疑応答」という内容。
トークセッションで「本の企画」についてインプットを行い、メソッドをワークショップで実践。最後にワークショップや本の企画について更に深い議論をするという身に付きやすい構成!
参加者も面白そうな人がチラホラといてワクワクしながら、イベント開始ですっ!
トークセッション
まず前半はトークセッション。
登壇者はこちらの3人。
左から、高橋晋平さん、栗俣力也さん、天田幸宏さん。
それぞれ簡単に自己紹介から。
『企画のメモ技』の著者、高橋晋平 氏
まずは、今回の『企画のメモ技』の著者、高橋晋平さん。
高橋さんは、株式会社ウサギの代表取締役で、肩書が「おもちゃクリエーター」。
バンダイに入社した後マニアックなおもちゃ(ジョークトイ)の企画を10年近くされていた方。
ムゲンプチプチとかムゲンエダマメ、めっちゃ流行りましたよね!
これも高橋さんが企画に関わった商品。
現在は、独立されて株式会社ウサギを設立して活動されているんです。
現役書店員「仕掛け番長」、栗俣力也 氏
こちらは、Twitterでも有名な、仕掛け番長こと、栗俣力也さん。
栗俣さんは、現役の書店員さんで、本の売り方などを日々考えられている方。
本屋に来たお客さんの為のちょっとした改善から、絶版になった本を復刊させ大ヒットに持って行くなど、まさに本に関する仕掛け人なんです!
売り場を理解すると仕切りって横向かんと読めないからお客さんいちいち横向いて確認してる事とか気付く。
だから仕切りを真っ直ぐからも見れる様に作り変えた。これだけで差しの売り上げ上がったんだよね。 pic.twitter.com/8G5B6y10Ts— 栗俣力也(仕掛け番長 (@maron_rikiya) February 13, 2018
「出版プロデューサー」天田幸宏 氏
そして、こちらはコンセプトワークス株式会社代表取締役で出版プロデューサーの天田幸宏さん。
あらゆる商品、サービスの「コンセプト」を探求するコンセプトディレクターかつ、出版コンサルタントをされていて、ベストセラー作家からの支持も厚い方です。
そんな企画や出版に関わるスペシャリストの3人によるトークセッション!
本の新しい売り方について
話は、本日のワークショップのテーマ「本の新しい売り方」について。
書店員さんの立場と、出版コンサルタント(企画者)の立場からの話で進んでいきます。
まずは、「仕掛け番長」の栗俣さん。
現役の書店員である栗俣さんは、これまで様々な試みを行なってきました。
例えば、Web漫画とVRとを組み合わせつつ、YouTuberとトークショーをしてみたり。
東野圭吾の表紙をラノベ風にしてみると若い人に読まれるのか、とか。
店舗でずっと同じ本をおススメし続けてみたらどうなるか(最終的に1万冊以上売れた)というのを試していたり。
まさに「仕掛け番長」として、新しい本の売り方に挑戦し続けている人。
書店員なのに、店舗での本の売り方だけでなく、サイン会の企画や本のカバーを手がけていたりしているんですよ。
王道から少しずらしたポジショニング
お次は、「出版コンサルタント」の天田さん。
「本を売る」という企画を考えていく時、とんがったところをどう持たせるか、が大事なんです。
その方法の1つとしてポジショニングを、王道から少しずらすことを意識して企画しているそうです。
例えば、CAさんよりもバスガイドにフォーカスを当てて「バスガイド流プレゼン術」という本を企画したり。
王道から少しだけ外れたところを掘ることで、新たなニーズを狙って掘り起こせる、というわけです。
なるほど…これは他にも考え方が応用できそうですね。
ワークショップ実践!「本の売り方企画を考えよう」
そしてここからは、ワークショップ!
実際に今回の書籍で紹介されているテクニックを使いつつ、企画を練っていきます。
テーマは先ほども紹介した、「本の売り方企画を考えよう」です。
世の中から「欲しい」を探してメモしよう
とはいえ、参加者全員が書籍を読んでいるわけではないのでザックリと今回使う手法を紹介していきます。
この本の主題「企画のメモ技」は一言で言うと、世の中から「欲しいと思うものごと(欲求)」を探し、それを分析して、企画に応用してみよう、という方法。
わかりますかね?
最初にメモしていく「欲求」は、テーマに全く関係なくて良いんですよ。
例えば、「女子にモテたい!」でも良いんです。
そこから、「アイドルと読書できる本屋」などの企画を出していく、という感じ。
↓
企画「アイドルと読書できる本屋」
例えば、高橋さんは普段、外出先で色々な物を見たり体験しながら自分が「いいな」と思えることを探してメモするんです。
自宅ではなく外に出ることで見つけやすくなるんですって。
欲求の見つけ方のコツ
とはいえ、今日は外に出る時間はないので、欲求の見つけ方のコツを教えてもらいました。
それが、「場所と時間で区切って考えてみる」です。
なるほど。小学生、大学生、新入社員の頃、朝、夏、など「この場所やこのタイミングだとこういうものが欲しかった」を考えて、今に落としていくと考えやすいんだそうです。
紙に欲求を書き起こす
それではワークショップ開始です!
まずは各自5分、紙に欲求を書き出してみます。
この時点では本に全く関係ない、普段感じている欲求をガンガン書き出していきます。
その後、同じテーブルの人同士で書き起こした欲求を紹介しあいます。
これ、欲求の奥底には更に深い欲求があるんですよ。それに気がつけるかどうか。なんです。
欲求を本の売り方に応用
欲求を発表しあった後は、テーブルのメンバーと会話しながら、「この欲求を無理やりにでも本に紐付けて」いきます。
例えばこんな感じで。
ここはもう、無理やりでも良いんです。
本日の会場に集まった30人がアイデアを出し合い、1つでも良い企画が生まれてたら万歳三唱!というくらいの感じでみんなで企画を量産することが大事なんです。
人のアイデアを聞いて更にアイデアが浮かんで来て、それをまた発表することでガンガン企画を出しあっていきます。
アイデアを紹介し合い、アイデアにアイデアをかぶせることで、会場がどんどん盛り上がって行くのが分かるんですよね。
20分の議論があっという間に過ぎていきました。ということで各テーブルごとに、どんな企画が生まれたかを発表していきます。
本の新しい売り方を企画する!
では、今回出て来たアイデアのうちいくつかを紹介して行きますよ!
周りの人が読んでいる本が可視化できるアプリ
今、周りにいる人が読んでいる本が可視化できるアプリ。
意識高い系の人が集まるイベントだと、こういう本が読まれている、とか。
京王線だと、東横線だとこんな本が読まれてる、とか。その違いを楽しめるし、同じ嗜好を持った人たちと出会える可能性も高くなりますよね。
Yahoo!LODGEでよく読まれてる本だと読んでみようと思える、とか。
これ、例えるならDSのすれ違い通信的な面白さ!面白そうな人が集まる場所に集まりたくなる感じ!これは面白いですよね!
持ち出し・購入禁止の本屋さん
本屋さんは万引きが多いという問題があるので、その解決策として。
逆転の発想、もう本が絶対に買えない、持ち出せない本屋。
立ち読み専門店。
本を試し読みし、手触りを確認して、購入を決めたら自宅に本が郵送されたり、電子で購入したり。
なるほど…今からの時代、これもありえますよね。
本を買うと電車の席に座れる権利がもらえる
電車に座りたい、という欲求から出た「本を買うと電車の席に座れる権利がもらえる」アイデア。
東急グループあたりとコラボすれば実現できるかもしれない企画。
本のレシートを見せると、電車の席が譲ってもらえる感じで。座っていても自分よりも高い買い物をしたレシートを見せられると席を譲らざるを得ない…とか。
あとは、ブックカバーに「席を譲って欲しい理由」などが書いてあり、それを見せて納得してもらえば席が譲ってもらえる、とか。
「今日、3日間徹夜して臨んだプレゼンに失敗して失意のどん底です…」「彼女にフラれました…」とか書いてあると、「うんうん、まぁ座りなさい」って席を譲るかもしれない。
居酒屋で本の紹介をする流し
酔っ払った帰りに本が買いたくなる、けど酔ってるから何が良いのかわからない…という欲求から、「居酒屋にいる流しのミュージシャンのように、本の内容を朗読して紹介してくれる人がいる」サービス。
気に入ったらその場で購入して、会計は居酒屋の会計に混ぜてくれたり。
電車のアナウンスで途中まで朗読
朗読つながりで、電車に乗っている最中って暇なので、その際に車内放送で本の内容を朗読してくれるサービス。
当然、途中で下車すると続きが気になるので本が買いたくなる、という仕組み。
みんなで同じタイミングで読める本
これ良いな!と思ったアイデア。
アプリで公開タイミングを管理していて、他の人と同じタイミングで本を読み進めることができるサービス。
ドラマを見て翌日にみんなで感想を言い合えるような、金曜ロードショーでみんなで「バ◯ス」ってツイートする、あの感じを本で。
ネタバレも気にしなくて済むし。
オリンピックとかW杯をを観戦してみんなでSNSで実況するような、そんな感じで離れた場所でもSNSで共感しながら本を読めるって面白い!
著者さんと10分LINEができる券付き本
登壇者も案出ししてますよ。
例えば、本を読んで、その理解であっているか自信が無い時ありませんか?
そんな時に著者さんと10分、LINEで意見交換ができる券がついた本とか。
VRでリアル店舗を体感しつつ電子書籍を手に取って購入できるとか。
などなど、めっちゃ面白いアイデアがいろいろ出てきました…。
アプリとか電車の座席確保とか、同時タイミングで読める仕組み、など実際欲しいアイデアも結構出てきましたね!
最初は遠慮しがちに発表していた会場も、どんどんヒートアップ!
最後は時間で切らないと終わらないほど、発表したいという人が多く出て盛り上がりました!
↓
ネタをつなげる(今回でいうと「新しい本の売り方」)
↓
大人数で企画を出し合う
↓
さらにそれに影響を受けて新しいアイデアが出る
という方法がまさに体験できたワークショップでした。
より学びを深める、質疑応答
ワークショップで実践した後には、ディスカッション・質疑応答の時間。
ワークショップって、やってハイ終わり!というイベントもチラホラある中、振り返りや追加で質問できるというのは良いですよね!
壇上のお三方が、会場内の人からの質問に答えて行きます。
出版関係の人たちもちらほらと参加していて、結構リアルな質問も飛び交っていました。例えばこちら。
どういう基準でオススメする本を選ぶの?
仕掛け番長に対し、「すごい数の本が出る中、どういう基準でオススメする本を選んでいるのか?」という質問。
回答としては、人の購買行動などのビッグデータを元に本が売れる仕組みや全体の流れを意識しているんだそうです。
どういう層が何を求めていて、どういう本を買っているのか、そこからどういう広がり方をするのかを分析し、過去売れた本と同じようにユーザーに刺さるようアプローチするんだとか。
売れる本・売れない本の差って何?
一概には言えないが、著者さんの書くペースに合わせて出す本は、時期を逃していることが多いんですって。
この時期に出したい、とタイミングを考えられて企画されている本が売れる傾向にある、というのは納得ですよね。
ただし、売れる時期を逃してる本は、求められるタイミングに出し直すだけで売れる可能性はあるんですよ。
今絶版している本も、タイミングを見て復刊するだけでバカ売れるようになる可能性は大きくあるんです。
これは面白いですよね。
図書館ってどう思う?
図書館は本のファンを広める土台、本の感動体験を広める為の施設でもある、大切な存在。
図書館が求められる限り、紙の本のファンも増え続けるから。
そこで本に触れ本を好きになり、「どうしても紙で手元に持っておきたい本」という思いが生まれれば、本が売れるわけですしね。
と、こんな感じで、ワークショップに関係すること、本の売れ方についてなど、普段なかなか聞けない話に会場は大盛り上がりでした。
わんぱくブロガー的まとめ
私自身、普段からアイデア出しとか企画を練る機会も多いはずなんですが、このワークショップの内容は新鮮でしたっ!
まずは欲求をガンガン書き出して、そこから企画に落としていくというのは使えそうだし、思ってもいなかったアイデアが湧き出て来そう!
今すぐ何か新しいことが考えたくなるイベントでしたね!
閉館ギリギリまで参加者が残り、議論を続けたり名刺交換していたのも印象的でした。
今回実践した「企画メモ」について、より詳しい内容は書籍で読むことができます。
「企画」や「アイデア」を考える人であれば、この本読んでおいて損はないと思いますよっ!